日本魚類学会 English
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市民公開講座のお知らせ
「レッドリストと生物多様性の危機」―魚を絶滅させないためのリスト作り

開催日時: 2010年7月17日(土) 13時00分-17時30分
開催場所:名城大学共通講義棟北2F
愛知県名古屋市塩釜口1丁目501番地
アクセス:名古屋市営地下鉄鶴舞線塩釜口駅徒歩5分
http://www.meijo-u.ac.jp/guide/access.html
参加費: 無料
主 催: 日本魚類学会
ポスターはこちら(PDF)
プログラム: 第一部 講演  ―日本の魚類に迫る絶滅の危機―
 淡水魚の半分はいなくなる?
   細谷和海(近畿大学)
 海の魚たちの現状は?― 有明海を例に
   山口敦子(長崎大学)
  第二部 話題提供 ―種を絶滅させないための第一歩―
 環境省版レッドリストとは
   浪花伸和(環境省野生生物課)
 魚類のレッドリスト―何が問題か?
   瀬能 宏(神奈川県立生命の星・地球博物館)
 県版レッドリストで地域の希少魚類は守れるか
   向井貴彦(岐阜大学)
 海産魚レッドリストの検討
   工藤孝浩(神奈川県水産技術センター)
 市民が集めたデータで作るレッドリスト―維管束植物の成果と課題:
   芹沢俊介(愛知教育大学)
 レッドリストから見た日本の昆虫の危機
   石井 実(大阪府立大学)
  第三部 パネルディスカッション ―いま何をすべきか―
 ・司会進行
    酒井治己(水産大学校)
 ・パネリスト
    瀬能 宏(神奈川県立生命の星・地球博物館)
    向井貴彦(岐阜大学)
    細谷和海(近畿大学)
    山口敦子(長崎大学)
    石井 実(大阪府立大学)
    芹沢俊介(愛知教育大学)
 ・コメンテーター
    環境省(予定)
問い合わせ先: 加納光樹
〒311-2402 茨城県潮来市大生1375
茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター
電話:0299-66-1577/FAX:0299-67-5175
電子メール:kkano@mx.ibaraki.ac.jp
 
開催主旨
 2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では,いわゆる2010年目標「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」の達成度が評価される.残念ながら日本産魚類に限れば,この目標が達成されたとは言い難い状況にあるだろう.ここ10年だけでも,わが国では人間活動に伴う水環境の悪化に乱獲や外来種の侵入などが加わって,絶滅の危機に瀕する魚類が急増している.環境省が2007年に改訂した「絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(以下,レッドリストという)」では,日本産汽水・淡水魚約400種の1/3以上に及ぶ144種が絶滅危惧種に選定された.この改訂版レッドリストでは,絶滅危惧種の総数が1999年公表のリストの約2倍に増加し,多くの種で絶滅の危険度が上位のランクに移行するなど,わが国の魚類多様性に迫る危機が極めて深刻なことが浮き彫りにされた.このような状況下で,最近,新聞やテレビなどでは「レッドリスト」や「レッドデータブック(レッドリストに基づき作られる絶滅危惧種の保全施策指針を示した本)」という言葉がよく使われている.しかしながら,レッドリストのそもそもの目的や選定の難しさ,適切な活用法,レッドリストが抱える諸課題などについてはあまり一般に認識されていないのが実状であり,そのことがわが国において魚類を含む生物多様性の保全を遅滞させる原因にもなっている.
 本シンポジウムでは,COP10が開催される直前の名古屋において,わが国の魚類多様性に迫る危機的状況とともにレッドリストの現状と課題について理解を深め,市民,研究者,行政等が相互に意見交流を図りながら,日本の自然環境・野生生物・生物多様性の保全におけるレッドリストの効果的な活用方策を見いだすことや,レッドリストが抱える諸課題の解決策を検討することを目的とする.さらに,レッドリストについての議論を皮切りに,市民,研究者,行政などのそれぞれの立場から語ってもらい,生物多様性の保全に関わるさまざまな問題点を参加者間で共有することで,一般参加者の生物多様性保全に対する意識高揚を図ることをめざす.