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会長挨拶  
 

日本魚類学会
会長 井口恵一朗

みなさん、こんにちは。

わたしは、日本魚類学会の会長として、魚類学の素晴らしい世界観をみなさんと共有できることを嬉しく思っております。ここは、魚類に関する研究や自然保護、啓発普及活動に情熱を捧げる多くの会員からなるコミュニティです。わたしたちが胸に描く好奇の中心には、魚類の多様性とそれを培ってきた驚くべき進化の道筋があります。

魚類学の目標は、生物多様性を深く理解し、その価値を損なわずに未来へと引き継いでいくところにあると考えています。そして、その礎となるのが種の認識です。分類学が提供する枠組みを通してこそ、魚類の系統類縁関係が明らかとなり、それぞれの種が生態系のなかで果たす役割を読み解くことができるようになるからです。

近年、残念なことに、地球の方々で劣化していく生態系を目の当たりにするようになりました。生物多様性の重要な構成要素である魚類においても、乱獲や環境破壊、気候変動等の影響により、多くの種や個体群が絶滅の危機に瀕しています。いま、日本魚類学会は、生物多様性の保全に焦点を当て、行動に移す決意を固めています。

このウェブサイトでは、魚類学の基礎から最新の知見まで、幅広い情報を紹介しています。自然環境の持続可能性維持にむけて、魚類学はどのような貢献ができるのか、議論の場を提供できればと願っています。みなさんの科学知識と魚愛を結集して、このワクワクする自然界の探訪にむけて、一緒に歩みを進めてみませんか。