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「淀川水系におけるイタセンパラの保護に係る緊急要請」 |
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平成18年12月25日
国土交通大臣 冬柴鐵三 殿
環境大臣 若林正俊 殿
水産庁長官 白須敏朗 殿
文化庁長官 近藤信司 殿
日本魚類学会会長 松浦啓一
イタセンパラ(コイ目コイ科)は、淀川水系と濃尾平野、および富山平野に分布する日本固有の淡水魚で、環境省のレッドリストにおいて、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性がきわめて高い絶滅危惧IA類に指定されているだけでなく、種の保存法により国内希少野生動植物種の指定を受け、その捕獲等が厳重に規制されています。また、国の天然記念物として種指定を受けており、学術面のみならず文化財としても貴重な生物であると位置づけられています。イタセンパラの保護増殖事業については、平成8年度から環境省・文部科学省・農林水産省・国土交通省の共同により進められているところです。
日本魚類学会は、平成18年9月1日、淀川水系イタセンパラ研究会(会長:小川力也氏)より、「淀川水系におけるイタセンパラの現状と今後の保護施策についての意見書」を受け取りました。内容を当学会自然保護委員会において検討した結果、上記した保護増殖事業の実施にもかかわらず、淀川水系では近年イタセンパラの個体数減少が続き、緊急に対策を講じないと、短期間のうちに野生絶滅する可能性がきわめて高い状況にあると結論されました。
つきましては淀川水系イタセンパラ研究会ならびに日本魚類学会自然保護委員会委員を含む対策委員会を立ち上げ、速やかにイタセンパラ急減の原因を特定し、絶滅防止のための緊急対策を講じるとともに、淀川水系における生物多様性の維持、復元に向けて、長期的視野に立った抜本的対策を進めてくださいますようここに要請いたします。
なお、貴省におかれましては、本学会の要請についてご検討のうえ、平成19年1月末日までに書面でのご回答をお願いします。また、本要請は、貴省への提出と同時に、全文を当学会ホームページで公開しておりますことを申し添えます。
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