【要 綱】 |
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生物多様性条約締結国としての責務を負う日本において、環境省レッドリストに示されるように、絶滅のおそれのある汽水・淡水魚は全生息魚種のおよそ30
%に達している。また、海洋域においても、少なくない魚種が絶滅の危機に瀕している現状にある。こうした魚類の多様性の喪失をもたらす主な原因には、河川・湖沼および海洋における生息環境の悪化が挙げられるが、近年の魚食性外来魚などの移殖放流、さらには遺伝的に異なる種苗の移殖放流による遺伝的汚染の広がりも見逃すことが出来ない重要な問題となっている。
日本魚類学会は、このような現状を正確に把握し、またそれに至った原因を科学的に究明し、その結果の公表を通して、生物多様性保全に積極的に取り組み、社会に貢献することが学術団体としての責務の一つであるとの認識に至った。そこで、これらを遂行するため、本学会に自然保護委員会を設置することとした。
(2005年7月22日改訂) |
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【委員会の役割】 |
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- 日本の魚類の生息状況および生息環境を正確に把握することに努め、その多様性を保全するために必要な提言、要望等を取りまとめるとともに、本問題に関する講演会や公開シンポジウムなどを企画・実施する。
- 本委員会のもとに設置する各部会の活動を統括する。
- 本委員会と同じ目的を有する他の学会やIUCNなどの機関との連携を計り、また連絡調整を行う。
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【自然保護委員会の組織】 |
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本委員会は委員長、副委員長、および委員から構成される。
本委員会の委員長、副委員長および委員の交代あるいは補充については委員会での協議によって決定し、代議員から意見を聴取した上で、理事会による承認を得る。委員長、副委員長、および委員の任期満了あるいは資格喪失によらない退任については、委員会からの申請に基づいて理事会による承認を得る。また、部会の長および委員の交代あるいは補充については部会長からの申請に基づいて、委員会で決定する。
- 本委員会内に、以下の3つの部会を設ける。各部会は部会長および委員若干名より構成される。
・外来魚問題検討部会
・希少淡水魚問題検討部会
・希少海産魚問題検討部会
- 各部会の役割は以下のとおりである
・ 外来魚問題検討部会:魚類の地理的分布や遺伝子組成が外来魚の人為的移入によって攪乱されることを通して引き起こされる様々な問題について、広範かつ詳細な情報を収集する。
・ 希少淡水魚問題検討部会:希少魚の保護を目的に、淡水魚の生息地保全および系統保存に関する諸問題を取り扱う。
・ 希少海産魚問題検討部会:海産魚類の環境保全や種の保全に関する諸問題を取り扱う。
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<自然保護委員会組織>
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委員長: |
森 誠一 |
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副委員長: |
鬼倉徳雄,渡辺勝敏 |
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・外来魚問題検討部会: |
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中井克樹(部会長),竹内 基,谷口義則,藤本泰文,松崎慎一郎,向井貴彦,淀 太我 |
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・希少淡水魚問題検討部会: |
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小泉逸郎(部会長),阿部 司,井口恵一朗,金尾滋史,北川忠生,立原一憲,中島 淳,棗田孝晴,藤本治彦,細谷和海,米沢俊彦 |
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・希少海産魚問題検討部会: |
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山口敦子(部会長),荒山和則,鈴木寿之,瀬能 宏,宗原弘幸,宮崎佑介 |
(2020年10月5日改訂) |