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研究材料として魚類を使用する際のガイドライン  
 
日本魚類学会


研究者は,魚類を研究対象として使用する際には,生物多様性の保全および動物福祉を尊重する必要があることを自覚すべきである.研究成果の価値については,魚類の採集・使用による自然界への影響と研究によって得られる知見の価値を勘案して,評価が下されることを銘記しなければならない. 
以上のことから,日本魚類学会の会員は研究を実施する際,以下のガイドラインを遵守して頂きたい.
  1. 研究行為においては,絶滅の恐れのある野生動植物の捕獲や譲渡などの規制に関する国際条約や生物多様性条約の名古屋議定書に関連する遺伝資源提供国の法令など,国際条約や国ならびに各自治体が定める法令を遵守すべきである.また,自然界から魚類等の標本を入手する際には,対象種をとりまく生物的,物理的環境への影響にも配慮すべきである.
  2. 研究のために捕獲された魚類が研究遂行にとって必要最少限であることを保証するために,具体的な捕獲資料に関する情報を効果的に提示することが推奨される.とくに,持続可能な生態系が維持されることに配慮し,採集行為によって対象魚類の個体群の存続に大きな影響を与えることを避けなければならない.
  3. 生物多様性保全の視点から,希少魚類を材料とした研究にはとりわけ厳しい制約が課せられることを認識するべきである.したがって,他の魚種を以て代替可能な場合には,それが推奨される.
  4. 室内実験においても,使用する個体数は必要最少限にすべきである.また,実験に供する魚類を取り扱う場合には,飼育管理を適正に行うとともに,魚に与える苦痛を出来るだけ軽減することが必要である.実験使用後の生存個体については,病原菌等への感染に注意することに加え,少なくとも他水系に移殖放流してはならない.
  5. 分類学的研究等において,野外から採集した魚類を固定標本として用いた場合には,標本を公的な研究機関に保存するべきである.

  上記のガイドラインに明確に抵触する行為を行った魚類学会員に対しては,自然保護委員会から注意勧告を行うことが出来る.また,同様に本ガイドラインの趣意に反した投稿論文に対しては,編集委員会において掲載不可の判定を行うことが出来るものとする.

2003年10月11日策定
2024年1月18日一部改正
 
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